クラウド移行を成功させる戦略とロードマップ
なぜ今、クラウド移行なのか?
デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速に伴い、多くの企業がオンプレミス環境からクラウド環境(AWS, Google Cloud, Azureなど)への移行を進めています。しかし、単にサーバーをクラウドに移すだけでは、コスト削減や俊敏性の向上といったメリットを十分に享受できません。
本記事では、失敗しないクラウド移行のための戦略とロードマップの描き方を解説します。
移行の7つのR(The 7 Rs)
AWSなどが提唱するクラウド移行戦略のフレームワークとして「7つのR」があります。
1. Rehost (リホスト): いわゆる「リフト&シフト」。現状の構成を変えずにそのままクラウドへ移行します。手っ取り早いですが、クラウドネイティブな恩恵は受けにくいです。
2. Replatform (リプラットフォーム): OSやDBのバージョンを上げるなど、一部最適化して移行します。
3. Refactor (リファクタリング): クラウドに合わせてアプリケーションを書き換えます。コストと時間はかかりますが、長期的には最も効果が高い方法です。
4. Repurchase (リパーチェス): SaaS製品への乗り換えを検討します(例:自社メールサーバーをやめてGmailを使う)。
5. Relocate (リロケート): VMware Cloud on AWSなどを使い、ハイパーバイザーレベルで移行します。
6. Retain (リテイン): 無理に移行せず、現状維持とします。
7. Retire (リタイア): 不要なシステムを廃止します。
段階的な移行ロードマップ
いきなり全てを移行する「ビッグバン移行」はリスクが高すぎます。推奨されるのは段階的なアプローチです。
フェーズ1: アセスメントと計画
現行システムの棚卸しを行い、依存関係を整理します。どのシステムから移行するか、優先順位を決定します。
フェーズ2: PoC(概念実証)
影響範囲の小さいシステムで試験的に移行を行い、技術的な課題や運用フローを確認します。
フェーズ3: 移行実施
計画に基づき移行を実行します。ダウンタイムを最小限にするための切り替え手順(ブルーグリーンデプロイメントなど)を準備します。
フェーズ4: 最適化
移行後は、クラウドならではの機能(オートスケーリング、マネージドサービス)を活用して、コストとパフォーマンスを最適化し続けます。
成功の鍵は「組織」と「人」
技術的な課題以上に、組織文化やスキルの変革が重要です。クラウドCoE(Center of Excellence)のような推進チームを組成し、社内のノウハウ蓄積と人材育成を進めることが、クラウド移行を成功に導く近道です。
Probability 編集部
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